アタシは必死に、想太くんの腕の中で想太くんの愛に答えた。


時折魅せる切なそうな顔。
嬉しそうにアタシの反応を見る顔。

恥ずかしい気持ちでいっぱいになって、色んな所を隠そうともがく。

でもいつのまにか頭の上で束ねられた腕は、自分の力ではびくともしなかった。
片手で押さえつけられて、もう片方の手はアタシの顔に添える。
何度も降ってくるキスのシャワー。


こんな可愛くて格好良い想太くん。

誰にも見せてあげない。
誰にも触らせてあげない。

想太くんだけのアタシ。
その紛れもない事実が誇らしい。

想太くんはアタシに触れている。
それだけで笑みがこぼれてしまう。



こんなにも強い独占欲が自分の中に芽生えるなんて、思ってもみなかった。



「莉麻…。」


想太くんは切なそうな顔をして、アタシの名前を呼んだ。

「ん?」

アタシがそれに答える。


嫌いだった自分も想太くんが呼んでくれる事で、好きになれた気がした。