でも今のアタシは寂しくなんてない。
愛して欲しいとは思ってるけど、想太くんはアタシを愛してくれてる。
そう実感してた。
だから、「キスするのはなぜ?」と聞かれても、うまく答えるのは難しい。
「好きだから、想太くんが。」
アタシは言い直した。
したいからするキス。
したいと思うのは、想太くんだけ。
好きだから、したいって思う。
きっとこの答えで合ってると思う。
「嘘。」
でも想太くんはアタシが出した答えを、呆気なく否定した。
「欲情、だろ?」
想太くんは、今日も意地悪でズルイ。
優しくしてよ、昨日みたいに。
アタシにだけ
欲情…
そうなのかも。
でも、想太くんにだけ、だよ?

