「寝込みを襲うなんて悪い子には、お仕置きだよ?」

あ、妖艶な目。
アタシがよく知ってる想太くんだ…。

「何するの…?」


でも怖い。
いつもと雰囲気が違う。
普段なら張り合って、想太くんのペースに巻き込まれないようにするんだけど。
それを許さないような見方。

そんな目をアタシに向けないで。

「そんな目で見ないで…」


耐えきれなくなって、アタシは思いきって言った。

怖いよ、想太くん。
乱暴にしないで。

「遠慮すんのは性に合わない」

想太くんが言った意味深なこの言葉の意味を理解できるようになるのは、もう少し先の話。



「ねぇ、莉麻はなんでキスするの?」


何も言えなくなったアタシに、いきなりの問いかけ。
そんなのは無駄だよ。

だってアタシは今何も言えない。


でもそれを許すような想太くんじゃない。