だから、見つめられたら動けないんだってばっ…!

想太くんはそれを知ってるかの様に、ぐるんと身体の向きを変えた。


アタシの身体も一緒に反転して、目の前は天井。
その前に想太くんの顔があって、アタシの上に跨ってる状態…


「ちょ…!重いって!」


体重をかけてないから、別に重くはないんだけど…
想太くんがアタシの上に居るだけで昨日の情事を思い出すから、身体が火照ってしまうのを防ごうとした。

そして想太くんに囲まれた中で身をよじらせる。


「それって逃げようとしてんの?」


想太くんはアタシを睨むように見る。
目付きが変わった想太くんが、怖い。
切れ長な目は、ただでさえ怖いのに…
おまけに目が悪いから、細めた目をすると余計に目付きが悪くなる。


「そうじゃなくって…、は、恥ずかしい…」

まだ熱いままの、赤い顔。
分かってるくせにいじわるする想太くん。
それに気付いてるのに怖いと思う。

すると想太くんはまたいじわるな顔に戻った。

本当に、色んな表情をする人…