「抱いて。」
忘れない為…
お母さんには申し訳ないけど、アタシの想太くんに対するこの想いは軽いもnじゃない。
想太くんを、
想太くんの哀しかった過去、歪み、苦しみ、全てを受けとめたいと思うの。
「…言われなくても。」
いつもの想太くんの笑い方。
だから安心した。
キスしたままの近い距離。
近づいた距離でそのまま、お姫様抱っこされて想太くんの寝室に連れていかれてベットに降ろされた。
壊れ物を扱う様に優しく触れる想太くんからは、いつもの強引で少し乱暴なキスからは想像も出来ない程だった。
「莉麻…怖くなったら言って。」
想太くんは見た事が無い表情でアタシを見る。
その顔には、どんな意味があるの?
始めて触れられる、男の人の手…。
想太くんはアタシに、こうやって触れるんだ…
なんだか嬉しくなった。

