想太くんの重みを減らす為。
自分を戒めて、罪を償う為。

決して出て“きたい”わけじゃないもの…。


声は出なくて、顔を横に振る事しか出来なかった。


「忘れないで。麻子さんの変わりなんかじゃない。莉麻自身を愛してるから…」


もう一度重なった唇。

この人はアタシを咎めないの…?
アタシを恨んだり憎んだりしないの…?


愛しい体温を身体で受けとめながら、アタシは何回目かの涙を流した。




「想太くん、そうひとつ。今日言おうって決めてた言いたい事があるの…」



決めてた事。
今までの全部、振り切ってしまおう。

簡単に、想太くんへの蟠りが無くなるわけではない。
そんなに簡単に消す事が出来る程、軽く考えていたわけじゃない。




「ん?」