想太くんは、アタシが欲しかった言葉をくれた。
思ってもみなかった。

想太くんはアタシを愛しいと、そう言ってくれたの…?


状況がいまいち掴めず、キョトンとしてしまうアタシ。
そんな想太くんは、見つめたアタシに顔を近づけた。


「莉麻が好きだ。」


そしてまた溢れそうになる涙を、袖を引っ張って優しく拭いてくれた。

そのままアタシの頬に手を添えて、優しくキスする。
知ってる熱。
何度も感じたこの体温が、今まででいちばん愛しく感じた。


責められる、そう思っていたアタシは呆気にとられたままキスに答えた。


忘れたくない
強く思ったその苦い味が口内に広がる。

少し酒臭い、ビールの苦みとリキュールの甘さが混じった味のキス。



「莉麻、まだ出ていきたいって思う?」




アタシは…

アタシが出ていくと決めたのは…、