アタシがお母さんを殺した事。
想太くんが持ってないピース。
アタシとお母さんが、想太くんの知らない場面でどう生きてきたのか。
知らないから、今までアタシにそう接してくれたのかも知れない。
だって今までの想太くんの行動は、考え難いものだったから。
でもその全てを話終わった後に想太くんから返ってきた言葉は、意外なものだった。
「そうなんだ。」
どうして?
アタシは貴方の大切な人を奪ったのに…
どうしてそんなに冷静で居られるの?
その後に続ける言葉が見つけられなくって、「うん」とだけ言って沈黙になってしまった。
言いたい事は、まだあるのに。
「それで、何?」
想太くんの冷たい口調は変わらなかった。
ほら、やっぱり…。
アタシに対しての彼の行動は、アタシが全てを知るまでの“偽り”で間違いないようだ。
「ごめんなさい」

