何がどう変わるのかな?


「うん、知ってた」


目の前で哀しげな笑顔を浮かべるこの愛しい人を、アタシは泣かせてしまう結果を迎えようとしているのか。

それを自分で防ぐ事が出来るのに、甘え方を知らないという理由で、自分のプライドがどうこうという理由で、少なくとも嫌な気分にさせてしまうのかもしれない。

彼がアタシを嫌いなら、どれほど楽なんだろう…

そんな事は、もう100回以上考えたと思う。

彼がアタシを、少なくとも嫌いではない事は手に取るように分かる。


『いっそ嫌われてしまえば』
そんな事を考えていたくせにだからそういう事をしていたのに、実際にその光景を瞼の上に浮かべれば、怖くて哀しくてたまらなかった。

嫌われる、なんて簡単な事。
今から言う言葉よりも、簡単な事。


それも出来ないアタシが、今からそれよりも難しい話をする…


「いつから?」


アタシが『思い出した』内容、といえば1つしかない。