もう忘れたりしない、絶対。
何も要らないから、アタシが好きなもの以外。
下らない表向きだけの友情も、心がない言葉も。
アタシには不必要。
「想太くん、話があるの。」
本題に入る前のこの言葉を口から出すのは容易に出来た。
「…なんだよ？かしこまって。どした？」
もう後には戻れない。
言うしか、ない。
この状況を作ったのは自分。
何も要らないなんて、ただの強がりなのかもしれない。
「あの、ね…？」
何から話そう？
そう頭を過った時。
予想もしなかった想太くんからの助け船。
「だいたい分かるけどな。莉麻から言わないと意味ないよな」
確かに、そうだよね？
いつもの強気な態度は、どうしても取れなかった。
