出た、過保護。
「そう?じゃあ待ってる。」
アタシがそう言うと、想太くんは安心したように風呂場に消えていった。
待ってる、なんて言ったけど。
ある程度酔わないと、言えそうにもない。
先に飲み始めてしまう事にした。
前に飲んだ残りのリキュールを取りだす。
甘いピーチのリキュールとカシスのリキュール。
それをオレンジジュースやウーロン茶で割って、テレビを相手に飲む。
想太くんが風呂から出るまでに、なんだかんだ3杯目になってしまってほろ酔いになっいた。
風呂から出た想太くんがアタシを見て声を張った。
「んあぁ!!なんで先に飲んでんだよっ!」
すぐ顔が赤くなってしまうアタシ。
これで照れ隠しは完璧、のつもり…。
その赤い顔を想太くんに向けて言った。
「大丈夫!覚えてる!3杯目だよぉ~」
なんて自分でははっきり喋ってるつもりなのに、呂律がまわらない口で3本指を向けて答えた。

