アタシは初めてだけど。
“怖い”なんてない。
見慣れた自分の身体を入念にチェックする。
「出ていく」も「抱いて」も、言える自信なんてないのに…。
疲れてる想太くんの姿が頭を過って、長湯しない程度に、でもいつもよりも長く入っていた。
「おまたせ。どうぞ」
アタシはいつもより薄着で露出度の高い部屋着を身につけて、想太くんに声をかけた。
「あ、おう。」
想太くんは、ボーっとしていたのか話しかけた途端ビクっとして立ち上がった。
「お酒ある?ないならコンビニ行ってくるけど。」
ビールはあまり好きじゃないアタシ。
冷蔵庫に常備されてる缶ビールあ、飲めて1本。
チューハイも、炭酸が苦手だからすぐに酔ってしまう。
だから想太くんと飲み比べをする時は、コンビニで売っているようなパックの梅酒や小さいリキュールを水やウーロン茶で割って飲んでいる。
その為、結構な確立でリキュールが家に残っていたりする。
「あるある!そんな格好で外に出るな。」
想太くんは焦ったように早口目で言った。

