今日でアタシは、18歳になった。
それは、アタシがここを出て行くと決めていた日でもある。
想太くんに「出ていく」って言うのは、2年前から決めていたのに。
今日の今まで、チャンスは何回でもあったのに。
いざとなると、何も言えなくなってしまっている。
アタシは想太くんが入れてくれた湯船に浸かりながら考えた。
想太くんがお酒を勧めてくれてよかった…
お酒の力なんて借りたくなかったけど、飲まないとこれからずっと言えそうもない。
ずるずるとここに居てしまいそう…
飲んだら、全部言えそうだ。
もうひとつの事も。
あの日、お母さんが電話した相手はきっと想太くんだ。
大事な人だって言ってたもの。
お母さんと同じ人を愛してしまうなんて…
いくら亡くなったからって、そんな親不孝…できっこない。
きっとお母さんは、想太くんを…
きっと想太くんは、お母さんを…

