もう少しだけしか残ってなかったケーキを食べ終えて、コーヒーを流し込んで飲み干したアタシ。

食器を洗ってると、想太くんが隣に立った。


180cm近くある想太くんに隣に立たれると、アタシは小学生並みに幼く見える。
155cmしかない身長は、コンプレックスだったりする。
でもアタシが気にしているだけで、想太くんが「小さくて可愛い」って言ってくれた事があったから、それを思い出せばこんな身長はコンプレックスでもなんでもなくなってしまう、想太くんマジック。



「風呂入れてあるから、先に入っといで。後は俺がやっておくから。」


やっぱり何にもさせてもらえなかった。
キッチンに立ったついでに、風呂のスイッチまで入れておいてくれる想太くんの小さな優しさに触れて、胸が痛んだ。


「うん、ありがとう。お先に」


やる、と言ってもどうせやらせてもらえないだろうと思い、手に付いた洗剤の泡を洗い流してアタシはさっさと風呂場に向かった。