喋っていたせいで調度良い温度になった甘いコーヒーが、口の中に広がった。
身体まで温かくなっていくみたい…


ケーキを口に入れていちいち感動した。

「おいしー!」


生地の上に薄く敷かれたカスタードクリームは、甘さ控えめで食べやすい。
これなら想太くんも食べれるな…


なんて思ったそばから、想太くんはすごい勢いでタルトを口に頬張っていた。

「うまいなー!」


そんな想太くんが可愛くて、見てるだけでお腹いっぱいになりそう。
またコーヒーを一口飲むと、甘い口内がコーヒー独特の苦みで中和された。

「ゆっくり食べたら?」


アタシは笑って想太くんを見ながら言った。
そして上のいちごだけ口に入れる。
水あめで加工されたいちごは、パリパリとした触感が楽しかった。
飴の甘さといちごの酸っぱさが調度良い。

「だってホントに美味いじゃん!」


想太くんは口元にカスタードクリームを付けたままアタシの方を見た。
それを、笑って指ですくってアタシはそれを指ごと舐めた。



「えろ…」


想太くんは顔を赤くして言った。