こう言えば想太くんは、

「は?!オッサンって言いたいの?!あーだめだ!プライドが許さない!」


って言う。
ムキになって、アタシが望む事をしてくれる。

「久しぶりに飲み比べなっ?」


想太くんは勝負事が好きだ。
クイズ番組なんかを見てる時も、正解を当て合うゲームを設ける。

「いーよ?」


アタシも想太くんも、お酒に強いわけじゃないのに。
想太くんは毎日を楽しく、彩ってくれる。


「よし、じゃあ乾杯。」

2人共持ったままのカップを、軽くぶつけた。


カコン、と乾杯では聞いた事がない音を聞いた後、想太くんが言った。


「ハッピーバースデー、莉麻。」



これはアタシにとって、最高の誕生日プレゼントだ。



「ありがとう」



赤くなりそうな顔を隠す為に、持ったカップを口にあてた。