さっき、頑張って空けた距離が智のせいでゼロになった。 あたしは智の背中に腕を回し、胸板に顔をぴったりとくっつけた。 「ちゅーさせてよ」 身長があたしよりもずっと高い智が顔をあたしの耳元に近づけて言う。 今度は負けない…! そう踏ん張っているとき、耳に違和感を感じた。 「んっ……とも…」 そのとき、チーンと高い音を鳴らし、ドアが開いた。 「ほら、行くよ」 身体が少しずつ熱を持ち始めている。 全部智のせいだ。