暗くなってしまった午後8時。 あたしは公園で人を待っていた。 こぐ度にブランコがキーコキーコと切なく鳴る。 遅いな… 「あーや」 急に自分の名前を呼ばれ、背中をポンと叩かれる。 「智(トモ)…?」 あたしは名前を呼びながら、恐る恐る声がしたほうへ振り向こうとした。 その瞬間、後ろから抱きしめられる。 ブルガリブラックのにおいがあたしを包み込んだ。