黙って付いて行くこと数十分、あの公園に着いた。



ベンチに座るよう促され、渋々と腰をかけた。




「こんなとこで…」


「お前、俺のこと好きなんだな」


「…は!?」


いつ、私がそんなこと言った!?


「さっきの、ヤキモチだろ?」

ヤキモチ!?

「ちが…」

「違わねーよ。あんな街中で、デート中の男に向かってあんなこと叫ぶ女なんて、嫉妬深い女」


「やっぱり、デート中だったんだ!?最低!!私にあんなこと言っといて…遊びたいだけだったら…ん!!」



後ろの頭を押さえつけられ、またキスされた。







「いい加減黙れ、お前はもうとっくに俺の虜になってんだよ」


わずかに開いた唇と唇の隙間から、橘が言った。


「なっ…んん!」


なってない!!と反論しようとしたが、また唇を塞がれた。





キスなんか、嫌だったら唇でも噛んで逃れればいいのにー…





大人しくキスされている私は、そんなに嫌だと思ってないのかもしれない。