「今年もアイツから連絡はなし、か……」
桜を見上げ、ぽつりと呟いた那智にぃの声は、春風とともに空へと消えた。
「那智にぃ」
そっと彼の名を呼ぶと、ん?とこちらを向いた。
「私ね、お見合いするみたい」
「はっ!?見合い!!?」
うんと頷くと彼は悲しそうに眉をひそめた。
「受けるのか…?」
悲しげな声が耳に届く。
私は那智にぃの言葉に、ただそっと頷いた。
「そっか……」
振り向くと、那智にぃは八の字に眉を下げ、俯いていた。
本当はお見合いなんてしたくない。
でも、私ももう20歳。父は断っていいと言ってくれたが、実際家柄の問題とか、ややこしい問題がたくさんある。

