「め-------んっっっ!!!!」
バシッという小気味よい音のすえ、この勝負に勝ったのは………。
「この勝負、ボクの勝ちや」
防具を外しながら彼はふふんと笑った。
「なーにしてもらおうかな~♪」
ニヤニヤと、いやらしい笑顔を浮かべた彼が、私のことをジロジロと見た。
「ま、今すぐ決めんでもええんやもんな。ゆっくり考えよ」
そう言って、手をヒラヒラと振り、彼はシャワー室に消えた。
「朔良、大丈夫か?」
心配そうに那智にぃが私のそばへ慌ててやってきた。
「平気だよ。でもスッゴく悔しいっ!!」
「だからやめときって言ったやろ。ほんま負けず嫌いやな」
那智にぃは呆れたようにため息をついた。
「ほら、朔良も着替えてきぃ。アイス買いに行くんやろ?」
へこんだ私を励ますように、頭をぽんぽんと撫でてくれた。
「そうだ、アイス!すぐ着替えてくるから、絶対に待っててね!!」
私は気を取り直して言い、慌てて更衣室に向かった。