お茶を飲みながら少しおしゃべりしていると、摩美はかばんをゴソゴソとし始めた。



「なに探してるの?」



「ちょっと待って、はいこれ。誕生日プレゼント。遅くなってごめんね」



そう言って、可愛らしくラッピングされた袋を渡された。



「わぁ、ありがとうっ!」



中を開けると、くりっとした熊のぬいぐるみと目があった。



「可愛い~♪」



「誕生日、おめでとう」



「ありがとう、大切にするね!」




私は上機嫌で笑みを摩美に見せた。すると、摩美もにっこり微笑んでくれた。



「で、なんのお礼?」と、話を戻されてしまった。



「だいぶ戻るね……」



「気になってたの」



摩美はふふ、と笑った。それが黒い笑みに思えたのは私だけだろうか……。



私は彼に貰ったプレゼントのお礼をまだ言っていないことを話した。



「でも、普通貰ったときに自然と言うタイミングってあるんじゃないの?」



ぁぅ………。



そうなんだけどさ。



あんな渡され方されたら、誰だってお礼言えないよ……



不思議そうな顔をしている摩美をよそに、私はうーん、と唸っていた。