「嫌です!!」


私の声が響く。



「……なぜじゃ?」


婆やは静かに私にそう言った。



「だ、だって!!私、そんな重大な任務なんて、できません!第一、私は普通の村娘ですし―」


「自然の使いは、普通ではないのじゃ。お主は、世界を救う、選ばれた人間なのじゃ。」





選ばれた、人間。
私は、確かに普通ではない。
でも、普通の人と一緒に、同じように生活をしていたんだ。
なんだかんだ言いながら、楽しかったんだ。


なのに。
いきなり、今までの生活リズムを崩されるなんて、私は嫌だよ。




「……考えてきます…。」



みんなに目を向けず、出口に向かい、扉を開ける。
すると、王女が傍に来て、言った。


「ルト、さん…?私は、あなたと一緒に旅に行きたい、な…。」

ニコッと微笑んで。