来ちゃったよ、此処、アクリア城に。


私は城の大きさに驚く。
城下町を出て、目の前にある丘の上のアクリア城。
いつもは城下町にいるから、近くでなんて見た事なかった。別に興味なんかなかったし。


なのに、なのに!


何で、此処にいるの!?
しかも体浮いてるんだよ!?

何で、何で、


「こんな事になったの〜っ!?」




「は?」



アドメンが眉間に皺を寄せる。

あ、声に出てた?


「何でもないわよ。」


口をとんがらせて、フンッと鼻をならす。


「ほら、着いたから降ろす。」



と、自分の足がゆっくりと地面に着く。
ああ、地面…。



「さぁ、入りましょう。」


優しい男が門に手を掛ける。

と、ここで重大な疑問がうかぶ。



「あんた達さ、いいの?堂々と城の門から入って。それに、兵士とかいるんでしょ?」


あんたら秘密で祭りに行ったんじゃないのか?
町の人だって、姫が消えた、とか言ってたし、結構な事件になってるのではないだろうか。


「はい、きっと父上と母上は知ってますよ。私達の居場所ぐらい。」


「ふーん………って、えぇ!?」


「父上と母上は魔法使いなんです。きっとわかってますよ。」


「だからか、兵士とかオレ達を捜しに来なかったしな。」



王女とアドメンの説明に、


「んじゃ、秘密で行く意味ないじゃないか……。」



苦笑いする。