What is happiness?

そうつぶやいた瞬間、記憶も何もが無くなった気がした。
ユファンって誰…?

「あずさ!あずさ!」
「……ん……誰?」
「私だよ…莉奈だよ。」
「莉…奈…?」
「うん…。あ、莉奈です!よろしくね?」
「え…。うん…。」

目の前にいるのは誰?



今日、梓が記憶喪失になった。
まるで、人間の感情も全ても忘れたみたいに、目の色1つ変えずに俺を見た。
ユファンは、本当に妊娠した事が分かり、落ち込んでいる。
何でそんな事をしたかも謎だが、梓が記憶喪失になるのはショックだから?
俺は昔、梓に告白されてからじっくり考えると梓がすきになっていた。
でも、梓はユファンが好きだ。だから、今更言ったとしても無駄なだけ。梓には本当に失礼だったと思う。
ハラン!ハラン!って言って来たころの梓。
本当に何であの時気づかなかったのか今でも後悔している。

ただ、今はそんな事を言ってる暇はない。
今はとにかく梓の記憶を元に戻さないと、梓は幸せになる事が出来ない。
本当に梓が好きなら、梓の記憶を早く戻して、ユファンと繋いであげる事。
それが、今俺にできる事だ。
どうしたら記憶を戻せる?
俺に何ができる?
そう考えても思い当たらない。

「ハランさん、ちょっといいですか?」
「え…」
病院の先生に呼び出され、部屋へ行った。
「ハランさんは、協力できますか?」
「梓の記憶を元に戻す事にですか?」
「はい。梓さんは、今ショックで記憶喪失になっています。ショックの原因はユファンさんの妊娠ですよね。ユファンさんとユマさんは、元付き合っていたと聞きました。2人はなぜ、こんな事になったんですか?ユマさんとユファンさんの妊娠は、薬が原因です。本当にユファンさんとユマさんが性交をして、妊娠した訳ではありません。ユマさんがおそらく薬で、ユファンさんとの子供をつくったんでしょう。」
「薬…」
「はい。その事をまずは梓さんに伝えなければいけないのですが、今の状態ではもちろんムリですし、目を覚ませません。だから、ハランさんの協力で、梓さんの目を覚ましてください。」