それから霧様が学校へ行かれるまでの間、私は仕事を全うしながらも霧様との時間を過ごしていた。


私が東條家に着き、更衣室にいると霧様からお呼び出の電話が入り、霧様の部屋へと行くのが東條の家での一日の始まり。


お部屋の中ではお茶を入れて差し上げたり、時にはマッサージなどをして差し上げながら、互いのことを話し合ったり……と、まだ少し緊張はしているものの、私はすごく充実した生活を送っていた。


そして、霧様が学校へ行かれる前日。


その日も東條家に行く仕度を整えていると、家の電話が鳴り響くのが聞こえてきた。


数回コールした後、それは途切れたのできっと圭ちゃんたちが取ってくれたんだなぁなんて思いながらそのまま着替えをしていると、圭ちゃんがドアをノックして部屋に入ってきた。


「露ちゃん?」

「はーい?」

「お電話ですー」

「だれー?」


着替えながらドア越しに返事をすると、圭ちゃんの口から信じられない驚きの人物の名が挙げられた。