「大分元の露に戻ってきたみたいだね。
なら、始めの質問。
一体露は何を悩んでいたの?僕に言えないことって?」


私の調子が戻ってきた事を確認された霧様は、聖ちゃんの言っていた話題を再び持ち出してきた。


でも、今なら言える……、そんな気がする。

だから、細々とこれまでの本当の私の思いを話し始めた。


「私、霧様に別れを告げてからも、聖ちゃんとお付き合いをしている時も……ずっと、霧様を想っておりました」

「!!」

「そして一昨日、神くんから謝罪を受けて、神くんのしがらみから解放されて、やっと霧様の元へ戻れるって、すごく嬉しく思いました」

「露……」


淡々と話す私の言葉を、霧様は真剣に聞いていてくださる。

さらに私は続けた。


「でも、勝手に別れを告げて、勝手に出て行った私を霧様は許してくださるのかって……。
そんなメイドはいらないって、捨てられるんじゃないかって、すごく怖くて……」

「……」

「それに、聖ちゃんのこともあって、どうしたらいいのか分からなかったんです……」


全てを話し終えると、頬に熱い涙が伝うのが分かった。

霧様には悟られたくなくて、下を向いていると。