聞きたいことはたくさんあると思う。


でも、ごめんね綺ちゃん。
綺ちゃんにも理由は言えないんだ……。

何か言いたそうにする綺ちゃんを尻目に、リビングへと逃げ込んだ。


そんな私の様子を見てからか、綺ちゃんは何も言わずに黙って朝食の準備をしてくれる。

すでにリビングにいた陸くんも、突然戻ってきた私にびっくりしていたけど、なにも言わないでいてくれたからすごくありがたかった。


朝食を済ませると、そのまま早々に学校へと向かった。


さっき零さんと話したとき、学校を勧めてくれたのも零さんだしその手続きをしてくれたのも零さんだったから、東條家を出るなら学校も辞めると伝えたんだけど、


『せっかく受かった学校なんだから、辞める必要はないよ。
もともと露ちゃんは高校生なんだから』


って言ってくれて……。


だから、その言葉に甘えてそのまま通うことにした。

それに、少しでも霧様と繋がっていたかったから……。


会えなくても、同じ学校にいるなら霧様とつながっている事ができる。


もっとも、私から別れを告げて会いに行くことなんか出来ないけど。


それでも。
同じ学校に通っているという繋がりがあるだけで嬉しかった。


まぁ霧様とは学年も教室のフロアも違うし、今までだって帰りに霧様が迎えに来てくださった時くらいしか会えなかったからからほとんど会わないと思うけど……。