「……露の口から、彼の気持ちを受け入れたと聞かされたらどうしようかと思ってね」

「霧様……」


また、嬉しい事をおっしゃってくださる。

でも、霧様は本当に心配性なんですから……。


「もー、霧様、ご安心ください。
私は霧様以外の方をお慕いすることなどありませんから」

「ははっ、そのセリフもう何度も聞いているね」

「そうですよ、霧様は心配しすぎです」

「そうかな?」

「はい。少しは私を信用してください」

「そうだね」


霧様はそう笑って、再び紅茶を口にされた。



――霧様?

私が霧様を想っていることに、嘘偽りはありません。


私は、初めてお会いした時から霧様の虜。


なのに……。



ごめんなさい、霧様……。

私の心がどんなに霧様を想っていたとしても、結果的に嘘をついてしまったことには変わりがないんですよね……。


たとえもう信じてもらえなくても、嫌われてしまっても……。


それでも私は、霧様が……、霧様だけが大好きなんです――。