「も、もしもしっ、霧様!?」

『あ、露?』

「霧様……っ、霧様ぁ……」

『え?露?
どうしたの?なんで泣いてるの?』

「ふぇ~っ」


いつもと代わらない霧様の優しい声。

それを聞いた瞬間、安堵のあまり涙が溢れ出ていた。


『露?』

「霧様……今、どこにいらっしゃるのですか……?」

『今、学校を出たばかりなんだ』

「こんなに遅くまでお手伝いを?」

『いや、手伝いはわりとすぐに終わったんだけど、熊沢先生に捕まってしまってね。
彼の武勇伝を延々と聞かされていたんだ』

「そう、だったんですか……」


熊先生……。

こんなに遅くまで生徒捕まえて武勇伝なんか語らないでください!!


――でも、本当になにもなくてよかった。


「……ご無事でよかったです……」

『!!』