「ちょ……っ!
なにするんですかっ!!」


先輩たちから逃れようと身じろいでも意外というか、見たまんまというか…。
掴んでいる腕の力が強くて中々振りほどけない。

その間にも、徐々に金髪がにじり寄ってくる。


「二度と東條様に会えないような顔にしてあげるよ」


その目はかなり据わっていて、さすがの私にも悪寒が走る。

そして、金髪は強く拳を握り締めると私の顔めがけて振りかざしてきた。


また殴られる――……っ。

瞬時にそう思って顔を背けた。


でも……。


「……?」


どれだけ待っても顔への痛みが襲ってこない。


むしろ私の腕を掴む2人の力も緩んでいき、強く抵抗していた腕がそのまま重力に従うように落ちて行った。


なんで?
状況を把握しようと恐る恐る目を開けると、そこには……。


「その辺にしたら?」