「露ちゃん、露ちゃん。
メイドさんになったらかわいいお洋服が着れるんだよ」

「え?」

「ほら、露ちゃんもさっき見たでしょう?
あれ、絶対露ちゃんに似合うと思うんだよね」

「……」


たしかに、さっき見たメイドさんのお洋服、すごくかわいかった……と思う。


頭には白いヘッドドレスをつけていて、胸元にリボンの付いた短めのスカートのワンピースドレスと、白いフリフリエプロン。

レースの付いた白いハイソックスに黒いパンプスは、きっと誰もがあこがれるんじゃないかと思う。


だ、だからってメイドさんになるってこととは話が別じゃあ……っ。


「もちろん、綺ちゃんもよく似合っていると思うけど、僕、露ちゃんのメイド服姿も見てみたいなぁ……」

「そうだね、露ちゃん童顔だし。その可愛い顔にとても似合うと思うよ」

「うんうん。
それに仕事自体も露ちゃんに向いている気がするし」

「絶対に霧もその無欲で無邪気な露ちゃんを気に入ると思うよ」

「でも……」


2人の話を聞いているうちに、洗脳されているかのように私の心がどんどん揺らいでいく。