まさか、そんな事――。

私なんて、ただの普通の女の子なのに……!


それを言うなら、私の方が不安で仕方がない。


霧様は頭脳明晰、容姿端麗、スポーツ万能と3拍子…ううん、それ以上揃っている。

そんな完璧な男の人がいたら、誰だってあこがれると思う。


霧様が学校へ通っていらっしゃる間、私は不安で不安で仕方がない。

学校にはどんな人がいるかまったく分からなくて……。


だから、美人さんや、かわいい子がいて、もし霧様がその子を好きになってしまったらって考えると、仕事が手につかなかったりする。


そんな霧様が、私を心配してくださるなんて……もったいなさすぎです。


そして、霧様は少し考えたそぶりを見せると私の頭をポンポンと叩きながら微笑み、私が最も望んでいた言葉を発せられた。


「でも、露がこうして僕と一緒にいることを望んでくれるのなら……。
一緒に通う?」

「霧様!?」