ご主人様に首ったけ!

「あ、あのっ、この人は私の中学の時の同級生で、川崎聖くんです。
で、聖ちゃん、この方が私のご主人様で、東條霧様」

「……ども」

「……」


私は双方を手で示しながら、紹介をする。


聖ちゃんは、私の言葉で霧様に頭を下げていたけれど、霧様は無言のまま。

そして、霧様は返事の代わりに、私の腕を捕まれ……。


「行くよ、露」

「え……?あ、はいっ!
じゃ、じゃあねっ、聖ちゃん!!」

「おいっ、露!?」


私は霧様に引っ張られるまま、霧様の後をついて歩いた。


「あの……霧様っ、霧様!?」


歩くのが早くて、ついていけないっ。


どうしよう……っ、こんなに怒ってらっしゃる霧様初めて見た……。

どうしよう……!?


スタスタと先を歩く霧様の後を追いながらなんと言えばいいのか悩んでいると、しばらく歩いたところで霧様は突然立ち止まられた。


「……っ、霧様?」

「……」


霧様の後姿に声を掛けても返事はない。


でも、謝るなら今だ……っ。