なんとも厚かましいお願い。

彼女でもない、ただのメイドがこんな事をご主人様にお願いするなんて……。


でももしかしたらっていう思いがよぎりどうしても聞かずにはいられなくて……。


「もちろんだよ、露。必ず一緒に行こう。約束だよ」


そんな私に、霧様は優しく微笑んで快く了承してくださった。


「はい、霧様!」


そして再び目的地を決めるわけでもなく、霧様と2人街を歩いた。


軽食を取り、時々、立ち並ぶ店に入って服や小物を見てまわる。

ただそれだけの時間が私はすごく嬉しかった。


でも、楽しい時間というのはすぐに過ぎ去ってしまうもの。


「日が伸びたとはいえ、もう暗くなってきたね。そろそろ帰ろうか、露」

「はい、霧様……」


もう少し一緒にいたかったな……。


なんて考えていると、


「大丈夫、霧が僕のメイドさんでいてくれる限り、いつでも出かける時間があるよ。
さすがに学校へ通っている時は無理だけど、休みの時は出かけることにしようか?」

「……っ、はいっ!霧様!!」