東條家――。


それは、日本最大の資産家と言ってもいいほどの大豪邸。


当主である、東條零は39歳という若さで全国各地に会社を経営しており、そのトップに君臨している。

その妻・澪も夫の仕事に携わり、女社長を努めており、長男・雪もまた父の会社を受け継ぎ、若いながらもかなりの実績を上げている。


次男、霧はまだ高校生であるため、父の仕事を請け負う事はないが、エリートの血を受け継いでいるのか、成績は常にトップで、その頭脳は相当切れると専らの噂である。