「だから、聞こえちゃうの。人の思ってることが!」 「ああ、琴音ちゃんは人の気持ちに敏感だからな」 「そうじゃなくて!本当に聞こえてくるんだよ」 「人の心の声が?」 「そう!しかも、そう、特に人の…痛みみたいなものが」 「ふーん」 「信じてないでしょ、秀くん」 「いやいや信じてるとも」 秀くんは笑ってコーヒーカップに口をつけた。