外に出てみると、ベランダではあまり感じなかった風が吹いていた。
…純君、こんなに寒い中走ってきたんだ…



ベランダの下に行ってみると、寒そうに立っている純君がいた。

「純君、どうしたの?」
そういって持ってきた上着を渡そうと手を伸ばしたら…
グイッ
「…ッ!?」
いきなり手を引っ張られた…
そして私は純君の腕の中にいる。
「あったけぇ…」
純君はそう言って私をギュゥッと抱き締めた。
「…沙和、ちょーあったけぇ……」

純君の体はやっぱり冷えていた。