「…ねぇ…そんな事言われたら私、諦めきれなくなっちゃうから。だから、早く帰って?冬の夜にそんな薄着じゃ風邪ひいちゃうよ?」
『………』
「ね?純君?」
『誰のせいだよ…』
「え?」
『…沙和がいきなり電話してきて、言いたいこと言って勝手に切ったからでしょ?だから急いで走ってきたのにさ…。帰ってって……なに?とりあえず、こっちに来て?来てくれなきゃ帰らない。』
来てくれなきゃ帰らないって…そんな事言われたら行かなきゃならない。
「…わかった」

私は純君に渡すための上着を掴んで外に出た―――――