『好き。』~電話で紡ぐ君との恋~




――純君は私を抱きしめながら話し始めた。
「沙和、よく聞けよ。1回しか言わないからな。」
「えっ?…」
「俺には、小さい頃から好きなヤツがいる。そいつとは幼稚園しか一緒じゃない。小学も中学も違う。…だけど、唯一塾は一緒なんだ。俺はそいつを塾で見かけるたびに幸せな気分だった…」
「うん」
「でも、そいつが塾で他の男と話してるだけで、そいつとその男は両想いなんじゃないかって思ったし、その男に嫉妬してた。自分は男友達にからかわれるからって話しかけないだけなのに。………でもな、今日、これからはそんな心配しなくていいってわかったんだよ。」
「…え?じゃぁ、その子も純君が好きってわかったの?」
「あぁ」