もう一度『愛してる』と言って




「嫌いなのはそっちだろ?」

「えっ?」

「俺のこと嫌いだから別れたんだろ?」




あっ…。
魁はあたしが魁のこと嫌いになったから別れたと思ってるんだ…。


違うのに…。
あたしは、魁のこと嫌いって思ったこと一度もなかったよ…。


でも、そのことは言うわけにはいかない。

だから自然と黙る形になってしまった。




「黙るってことはそういうことだよね」

「えっ?ちがっ…!」




否定しようとして慌てて口を抑える。