少し他の男子より高い声。
二年前と何も変わってない。
その声であたしの名前をたくさん呼んでくれた。
甘い言葉を囁いてくれた。
忘れもしないあたしが大好きな声。
「学校案内してくれるとか言われたんだけど?」
「その担任は俺らにまかせて消えたよ」
「ふぅーん。じゃあ、案内してよ」
そういえば、魁の声がすごく良いって言ってた女子がたくさんいたっけ?
目の前に魁がいるのに、
胸がドキドキして止まらないのに、
頭は以外と冷静だった。
「あぁ。じゃあ、千波バイバイ」
「あれ?2人で案内してくれるんじゃないの?せっかく二年ぶりにあったのに」
少しからかうように言う。
声を聞くたび心臓が跳ねる。
やだ…
いちいち反応するな!

