バスと装甲車はこの街の中心を走る大通りを走り抜ける。

ゾンビの集団は振り切ったみたいで、今この場所にはバスと装甲車以外の気配はない。

走り抜ける中、窓の外に見える景色はまるで地獄絵図。

みるも無残な死体がそこら中に散らばっており、その殆どが食い尽くされている…。

道路は車が放置されたままだが、装甲車が跳ね飛ばしバスの道を作ってくれている。

辺りでは火事が発生しているのか、夜の帳に赤い火の影がちらつく。

電気はまだ付いている事から、発電所やそこで働く人達は今の所大丈夫なのだろう…。

しかし電気やガスなどのライフラインが全て絶たれるのも時間の問題かもしれない…。

あのゾンビの群はやがて発電所や浄水場も襲うだろう。

人がいなくなれば電気や水道の供給も止まる…。

あの惨状をみた以上、警察の鎮圧も上手く行くとはおもえない…。

現に上手くいっていないから自衛隊が出張ってきたのだろう。

このままいくとこの国はどうなってしまうのか……?