「ね、杏樹ちゃん。」
『何?』
「実は、さ...」
お母さんはとても話しずらそうな顔をした。
嫌な予感がした。
まさか____離婚?
『離婚?じゃないよね?』
「違う。」
はぁよかったぁ。でも次の瞬間、
「お腹に赤ちゃんがいるの」
思考が停止した。
赤ちゃん?私の妹?
嬉しかったんじゃない、悲しかった。
「今、杏樹ちゃん、嬉しくないって思ったでしょ。」
そうだよ___。
だって妹ができたら、100%私、放置されちゃう
こんな素直じゃなくて可愛くない娘、
血の繋がっていない娘に愛情を注いでくれない。
「安心して。私は、平等な母親を目指すから」
『...ホント?』
「そうよ。だって言ったでしょ?杏樹ちゃんのこと好きだもん。」
信じてみようって思った。
きっと、お母さんはあの母のように酷い人じゃないって思ったから。
気がついたら、もう家に着いていた。
「着いたわよ。」
着いた。
私の家。
ここの門は新しい生活のスタートライン。
私は、門を開けた。

