続・アイドルまっしぐら!!

僕は俊のことが一番大切だったと思う。




間違いない。



きっとあの頃、僕に彼女がいたってその順位に変わりはなかった。




僕は分かりやすく俊に固執してしまっていた。




どこに行くにも俊の存在が必要で……


頭から俊を信じていた。



……でも、俊はそうじゃなかった。




当たり前といえば当たり前なんだけど。




俊は人を惹き付ける力を持っていた。



だから、いくら僕が大切に思ったところで、



俊にとって僕はたくさんいる友だちの中の一人に過ぎない。



俊には選ぶ余地があった。



だから、極端な話で言うと、



僕がダメなら他の友だちでもいいということ、




僕はどうなってもいいということだった。



今、こうやって落ち着いて考えれば分かることが、



どうしてあの時には分からなかったのかな?



あの頃の僕は、俊との友情を守るので必死だった。



……友情は守るものじゃなくて、築いていくものなのに。