正直、『Master』に勝ってる自信はない。 『Master』にはやっぱり大人の色気がある。 でも、それでも僕たちは持てる力の全てを発揮して、この曲を作った。 カップリングもなく、一曲だけの500円のシングルCD。 きっと、大丈夫。 「最後の練習しよ。」 大翔はそう言うと、立ち上がった。 「うん。僕、頑張っちゃうよ。」 「あんまり張り切りすぎて、喉潰すなよ。」 「圭悟はそこまで馬鹿じゃないって。」 ……この空間がとても好きだと思う。