「今度のCD発売までは、僕たちのマネージャーでいてください。」
「奏太くん……」
「僕たちも彼らも、全力でぶつかります。正直、『Cute Boys 』の力はもう僕たちにも負けないくらいの素晴らしいものだと思います。どっちが勝つかなんて分からない。でも、勝負の結果は大した問題じゃないんです。彼らが成長する糧になっているくらい僕たちはすごいところまで登り詰めたことがすごいと思うんです。もし、彼らが負けても、里奈ちゃんと別れさせたりしません。僕もいるし、紀子さんもいる。事務所を辞めるのは、僕たちの勝負を見届けてからでも遅くないですから。」
「……いいの?」
「いいも悪いも、それが僕たちのマネージャーであり、良介くんの母親でもある紀子さんの役目です。」
「……ありがとう。」
紀子さんの目からは、キラキラと光るものが流れ落ちていた。
「よく言った、奏。」
……ん?


