続・アイドルまっしぐら!!

俺には別に戻るべき場所もない。



だから、良介の行動に触発されて何かをするなんてことはあり得ない。




俺を大切に思ってくれる女の子なんかこの世にいないから。




もう一生、現れなくても仕方がないかな……




……自分で言ってて悲しくなってきた。




「……卓哉。」




突然のその声を聞いて振り替えると、いつになく柔らかい表情をしている良介が立っていた。




「……何だよ。」




「……僕ね、卓哉にも幸せになってほしいんだ。ううん。卓哉だけじゃなくて、『Cute Boys』のメンバー全員に。」




「……どうした?突然。」



「今日、改めて思ったんだ。」




……何だろう。良介って日溜まりみたいに温かいな。



「……なぁ。どうして、そんなに人の幸せを願えるんだよ。今の良介が幸せだから?」




「……それもあるけど、みんな大切だから。大切な人の幸せを願うのは当たり前だし。」




……良介には敵わない。