『Master』の曲の作詞は、今まで大体僕が担当してきた。 別に大した理由があったわけじゃない。 僕が、楽器は苦手で、作詞が好き。他のメンバーが、楽器が得意だったから。 幸い、今までその形で作ってきた曲がファンの支持を得てきた。 もし、その形態を意地らしく守り続けるなら、今回の曲も僕が作詞をすることになるんだろうな。 「……はぁ。」 詞を書く自信が、初めてなくなった瞬間だった。