続・アイドルまっしぐら!!

「悪い。寝坊した。」




そう言いながら歩美に手を振るのは、紛れもなく圭輔くんで、




俺の頭の中はパニックになった。



……歩美は二股をかけていた。




……その相手が信用していた圭輔くんで。




俺は、心をえぐられたような気持ちになりつつ、



2人に近づいていった。




その時の俺はどんな顔をしていたのだろう。



怒りに満ちた顔か、悲しみに暮れた顔か、




とにかく、俺の人生の中で一番酷い顔だったに違いない。




「た、卓哉……」



歩美は突然現れた俺を見て、怯えているようだった。



圭輔くんは特に言葉を言わず、


勝ち誇った表情で俺を見ていた。




「卓哉……ご、ごめんね。」



歩美が何かを言っているが、俺の怒りの矛先は藤堂圭輔に向かっている。




俺は、無言で近づき、藤堂圭輔の頬を思いっきり力を込めて殴った。